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PEOPLE INTERVIEW 3

設計経験があるからこそ、見えてきた役割がある。
お客様と、同じ目線で建築を支える喜び。

PEOPLE 中村 有希

意匠設計の経験を持つ中村有希さんが今向き合っているのは、不動産やお金という側面から建築を支える仕事。設計者として作品に関わりたい気持ちはそのままに、より良いプロジェクトの成立を支える新たな役割に挑んでいます。設計の実務経験があるからこそ見えてきた、建築をより良い形で前に進めるための創造系の役割について、話を聞きました。

  • 職位:メンバー
  • 入社日:2025年3月
  • 所有資格:なし

キャリアパス

  • 前職

    2015年9月~2025年1月 設計事務所で約9年、意匠設計に従事

  • 入社

    2025年3月 創造系不動産に入社

    不動産仲介業務を軸に、家づくりのための土地探しやマンション探し、銀行とのやりとりなどを幅広く担当。マンション建て替えに関するコンサルティング業務にも携わり、建築計画の方向性の検討や、収支計画の立案も担っている。

なぜ創造系を選んだのか

設計の周辺領域まで含めて、本当に納得できるプロジェクトの進め方を考えたかったからです。 設計事務所で働いていた頃から、設計業務の周りには、プロジェクトを支える大事な仕事がたくさんあると感じていました。

けれど、その領域は「誰がどう担うのか」が曖昧なことが多く、そこが噛み合わないことで、本来うまくいくはずのプロジェクトが前に進まない場面に直面してきました。また、「建築的な条件だけでなく、もっと広い視点で見たときに、本当にこの進め方が最善だったのだろうか」とモヤモヤすることもあったんです。

たとえば、大規模な土地に複数棟を建てる計画がありました。当時は建築的な視点から分割案を考えていましたが、今振り返ると、税金対策や将来の土地活用まで含めて考えたとき、それがクライアントにとって本当に最適な答えだったのかは分かりません。プロジェクトの進め方や体制も含めて、もっと別のやり方があったのではないか。そんなもどかしさが残っていました。

加えて、設計者として建築に関わり続けたい気持ちはありました。ただ、自分が本当にやりたかったのは、作品主義的に「自分の表現」を追いかけることだけではなく、良い建築や良いプロジェクトがきちんと実現することを支える立場なのかもしれない。そんな想いも、次第に強くなっていきました。

そんな折、前職の代表から「設計以外の領域でも価値を生み出したい」という話が出たことをきっかけに、不動産や事業づくりについて一から学び始めました。その中で出会ったのが、代表・高橋の著書や「建築と経営のあいだ研究所」の取り組みです。クライアントが実現したいことと、事業としての収益性。その両方にきちんと向き合おうとする姿勢に惹かれ、創造系不動産への転職を決めました。

仕事を通じた学びや成長実感

プロジェクト全体がしっかり動いているかを、俯瞰して捉える視点が身につきました。前職では、一つのプロジェクトにまとまった時間を使うことが多かったのに対し、今は複数案件が同時並行で動き、それぞれの進行度合いも、やりとりする相手も異なります。土地探し、銀行対応、書類提出、社内調整……短時間で次々に頭を切り替えなければならないので、仕事の進め方自体が大きく変わったように思います。

また、入社して感じたのは、コミュニケーションの前提そのものが違うということでした。設計事務所で働いていた頃、メールは「要点を端的に伝えること」が重視されていました。しかし創造系不動産では、お客様の意思決定に深く伴走します。そのため、単に情報を伝えるだけでなく、「どうすればお客様が本音を遠慮なく話してくださるか」という心の動きまで捉える必要があるんです。

今は、同じ内容を伝えるにしても、お客様が受け取りやすい表現になっているかを常に考えています。大切なのは、信頼感と親しみやすさのバランス。相手にとって心地よい距離感を探りながら言葉を選ぶ感覚も、少しずつ身についてきました。

創造系ならではのやりがい

今の仕事の大きなやりがいは、お客様が目指したいゴールに向かって、その過程を一緒に支えられることにあります。前職では、設計者として良かれと思う提案が、必ずしもお客様の望みと一致しないことがありました。大規模なプロジェクトでは、関わる人も多く、個人の一存では状況を変えられない。そんな歯がゆさを感じることも少なくありませんでした。

一方で今は、土地探しや銀行とのやりとり、収支の整理など、お客様が家づくりやプロジェクトを前に進めるうえで欠かせない領域から関わっています。自分の頑張りが、お客様の喜びにつながっている。そう感じられることが、仕事に向き合ううえでの大きな安心感につながっています。

その実感は、日々お客様と向き合う中で、いっそう強くなっていきました。ある建築家の方と一緒に、お客様の土地探しに一日同行したときのことです。数々の物件を見て回った後、お客様がふとこうおっしゃいました。

「普通の不動産屋さんだと『買わされるんじゃないか』と身構えてしまいますが、今日は一日、とても穏やかな気持ちでいられました」。

その言葉を聞いたとき、自分たちが大切にしている関わり方が、お客様にもきちんと伝わっていたのだと感じました。無理に背中を押すのではなく、必要な情報を一つずつ共有しながら、納得して進んでいただけるように伴走する。その積み重ねが、安心して意思決定できる時間につながっていたのだと思います。

風土の魅力

創造系の魅力は、一人で抱え込まなくていいことと、自然に対話できる空気があることです。
入社してまず驚いたのは、「みんながみんなのことを気にかけている」ことでした。直属の上司だけでなく、他チームのメンバーも、ふとしたタイミングで「何か困ってない?」と声をかけてくれる。そうした気配りに、これまで何度も助けられてきました。

また、役職に関係なく意見を受け止めてもらえる雰囲気があるのも印象的でした。代表の高橋は自然に「どう思う?」と問いかけてくれますし、リーダーも一方的に答えを示すのではなく、一緒に考えてくれます。毎朝の朝礼や、悩みを共有できる会議の場もあるので、「一人で抱え込まなくていい」という安心感があります。

さらに、研修のあり方にも創造系らしさが表れています。実務的なスキルを学ぶだけでなく、マインドフルネスやコーチングを通じて、自分自身と向き合う時間も大切にされています。単に仕事をこなすだけでなく、「自分はここで何を成し遂げたいのか」と考える機会があることは、私にとって非常に大きな意味を持っています。

今後のビジョン

今後は、設計事務所が抱える課題を、もっと広い視点から支えられる存在になりたいと考えています。具体的には、土地や資金計画といった不動産実務だけでなく、採用やPR、あるいは「会社としてどうありたいか」といった組織のあり方まで。実際、独立した友人から採用や発信について相談を受けることも増えており、設計とは別の立場から力になれる可能性が見えてきました。

「良い建築が世に出てほしい」「建築業界がもっと健全であってほしい」という想いは、昔も今も変わりません。ただ、その想いを形にする手段は、設計だけではないのだと気づきました。手段が変わっても、目指している先が同じであれば、自分のやりたいことから離れるわけではありません。むしろ、不動産やマネジメントといった別の視点を持つことで、建築に対してできることは、思っていた以上に広がるのだと感じています。

1日のスケジュール

  1. 9:30〜12:00

    出社・設計事務所へ訪問

    朝礼後、午前中は外出することが多いです 。設計事務所を訪問し、建築家の方々と対話を重ねます。単なる売り込みではなく、相手の活動への理解を深め、信頼関係を築くことを大切にしています。

  2. 12:00〜13:00

    昼休憩

    帰社後、昼食を取ります。

  3. 13:00〜15:00

    顧客打ち合わせ(対面・オンライン)

    午後は、お客様や外部パートナーとの打ち合わせが複数入ります。土地探し、銀行対応、書類作成といったフェーズの異なる複数の案件を並行して進めるため、合間の時間で頭を切り替えながら、段取りや資料準備をスピーディーに行います。

  4. 15:00〜17:00

    社内ミーティング

    代表の高橋やリーダーと、案件の進め方について協議します。単に答えをもらうのではなく、「なぜその結論に至るのか」という思考のプロセスを自分の中にインプットする、重要な時間です。

  5. 17:00〜18:00

    事務作業・翌日の段取り・退社

    打ち合わせの議事録作成や翌日のタスク整理を行い、退社します。

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