なぜ創造系を選んだのか

「設計に入る前段階で、できることがあると思ったから」です。設計事務所で働いていた頃、住宅ローンや資金調達の問題で、途中で止まってしまうプロジェクトをいくつも見てきました。 「もう少し自分に知識があれば、もっと多くのプロジェクトを前に進められたのではないか」という気持ちがありましたね。
もう一つ違和感があったのは、予算感やプロジェクト全体の金額が、どこかはっきりしないまま設計がスタートしていくことでした。実際に、設計が進んだ後で「やはり収益が合わない」「この条件では成立しない」とわかり、企画自体が止まってしまうこともありました。
だからこそ、もっと早い段階で 「どの土地なら成り立つのか」 「どのくらいの規模感なら無理なく進められるのか」 を見られていたら、プロジェクトの進め方が大きく変わっていたはずだと感じたんです。

そんなときに出会ったのが、創造系不動産です。「建築と経営のあいだ研究所」の取り組みでは、建築業界ではあまり語られない、経営や収益の話に真正面から向き合っているところにも惹かれました。「ここでなら、自分がずっと気になっていた課題に向き合えるかもしれない」。そう感じて、転職を決めました。
仕事を通じた学びや成長実感

不動産やファイナンスの知識はもちろん身についていますが、それ以上に大きいのは、仕事の進め方や人との向き合い方が大きく変わったことです。社内外のコミュニケーションを通して、段取りの組み方、スケジューリング、相手への伝え方など、社会人としての基礎力が鍛えられている実感があります。
以前は、「自分が実現したいことをどう形にするか」という視点が強かったと思います。でも今は、建主、建築家、金融機関など、「関わる人全員にとって無理のない進め方ができているか」を考えるようになりました。プロジェクトを一人で完結させるのではなく、「みんなで成功させるもの」として捉えられるようになったのは、大きな変化です。

創造系では、コンサルタントが案件を支えるだけでなく、営業的な役割もあわせて担います。前職では営業を受ける立場だったので、入社当初は自分がその役割を担うことに、正直なところ戸惑いもありました。どうしても、「何かを売り込む仕事」というイメージが強かったからです。
でも実際にやってみると、求められていたのは「一方的に提案すること」ではありませんでした。まず会いに行き、建築の話を聞かせてもらったうえで、自分たちの想いも話す。困ったときに、思い出してもらえる関係をつくる。そうした積み重ねがあるからこそ、いざ相談や提案が必要になったときも、自然に話を聞いてもらいやすくなる。今はそうした関係づくりそのものが、この仕事の大切な価値なのだと感じています。
創造系ならではのやりがい

創造系不動産で働く一番の面白さは、建築が形になる前の段階から、プロジェクトに深く関われることにあります。前職では、前提条件がある程度固まった時点で設計に入ることが多く、「与えられた条件の中で、どう建築として形にしていくか」を考えることが主軸でした。
一方、創造系では、計画がまだ固まり切っていない初期段階から、建築家やお客様と共に伴走します。だからこそ、「どんな建築や暮らし・事業を実現したいのか」「そのためにどんな土地が合うのか」といったプロジェクトの前提を、かなり早い段階からすり合わせられます。このように認識を揃えておくことで、設計に入ったあとも大きく方向がぶれにくく、プロジェクト全体をよりスムーズに進めやすくなるんです。
候補となる土地を具体的に検討する段階では、「この土地なら融資がつきやすいか」「この条件なら事業として成立しやすいか」といった視点を踏まえて情報を整理し、お客様や建築家に提案していきます。設計の線を引くわけではありませんが、「どんな建築ができるか」を左右する前提条件を、自ら整えられる。それが、創造系ならではの醍醐味です。
仕事への向き合い方
この仕事に就いて実感したのは、「人は理屈だけで動くわけではない」ということです。不動産取引は一見、合理的な判断の連続に見えますが、実際には感情が大きく関わります。だからこそ、数字や条件といった表面的な情報だけでなく、「相手が今何を感じているのか」を汲み取ることを大切にしています。
象徴的だったのが、都内某所の店舗案件です。通常、店舗の賃貸契約は書面審査を中心に進みますが、その案件では大阪から初めて東京に出店される方が借主候補でした。オーナーさまにとっては、地縁のない相手だからこそ、「どんな人がこの場所で事業をするのか」が見えにくく、不安を感じやすい状況だったと思います。
加えて、賃貸借契約は一度結べば長いお付き合いになることが多いため、「この人になら貸したい」と思える安心感を持っていただくことが欠かせませんでした。そこで僕は、借主候補の方の人となりや事業への想いを、オーナーさまに直接知っていただく機会をあえて事前に設けたんです。その結果、契約前の段階からオーナーさまとの関係を築き、「この人に入ってもらいたい」と思っていただけるような信頼関係をつくることができました。
創造系ではよく「シンクロする」という言葉を使います。これは、ただ相手の意見に寄り添うことではありません。相手の感情や背景を自分ごとのように捉え、一歩先回りして動く。そうしたスタンスがあるからこそ、背中を押すだけでなく、立ち止まったほうがいい場面ではきちんとお伝えすることもできます。一つひとつの判断に、丁寧に向き合う。その積み重ねが、建築や事業を着実に前へ進める力になると信じています。
今後のビジョン

直近のテーマは、リーダーとしてチームをきちんと運営していくことです。その中で、プロジェクトマネジメント力や、対個人・対法人それぞれに応じたコミュニケーション力を、もっと磨いていきたいと思っています。
個人としては、不動産のコンサルティングや仲介を、最初から最後まで安心して任せてもらえる人になりたいです。創造系で身につくのは、ありとあらゆるビジネスシーンで通用するスキル。だからこそ、さらなる高みを目指していきます。
また、「今の自分を変えたい」「もっと成長したい」という気持ちを持っている人と一緒に働けたら嬉しいです。設計事務所とまったく違う世界に飛び込むのは、勇気がいる決断かもしれません。でも、その変化を前向きに受け止められる人なら、不動産の知識は後からいくらでも身につきます。むしろ大切なのは、建築が好きであること。そして、設計者が感じる悩みや喜びを、自分ごととして理解できることです。建築への想いを土台にしながら、新しい領域で自分の可能性を広げていきたい。そんな仲間と、切磋琢磨していきたいですね。
1日のスケジュール
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9:30〜13:00
出社・朝礼・事務対応
朝礼後、お客様、建築家と一緒に物件を見に行きます。土地や物件の条件を共有しながら、次の検討につながる材料を整理していきます。
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13:00〜14:00
移動・昼休憩
昼食を取りつつ、帰社に向けて移動します。
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14:00〜16:00
社内打ち合わせ
プロジェクトで困っていることやタスク整理について話し合ったり、チームの管理・会計を確認したりします。契約書チェックを行うこともあります。
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16:00〜18:00
事務作業・退社
その日の案件対応や事務作業を進め、翌日の準備を整えて退社します。